
先日、テレビで「高齢者の質店利用が増えている」という特集が放送されていました。
もちろん、テレビ番組の構成にはスポンサー企業との関係もあるため、
すべてを鵜呑みにするわけにはいきません。
ただ、それでも“今の時代の空気”を測る一つの材料にはなると感じました。
実際、ここ数年の物価高は私たちの生活を直撃しています。
米、電気、ガス、ガソリン、食料品――
どれも毎月のように値段が上がり、
家計のやりくりは以前より確実に難しくなっています。
特に高齢者にとっては、
収入が年金中心である以上、
物価上昇の影響をもろに受けてしまいます。
番組の中では、
そんな背景もあって「年金受給者の質店利用が増加中」と紹介されていました。
生活費の補填として利用する方もいれば、
急な出費に備えるため、
あるいは使わなくなった品物の整理を兼ねて利用する方もいるとのこと。
若い世代は物への執着が比較的少ないため、
使わなくなったらスッと「買取」に出すケースが多いといわれます。
一方で、年金世代は
一つの物を長く大切に使う価値観が根付いているため、
「質預かり」を選ぶ方が多いのでしょう。
物価高が続く今、
年金だけでは月末が苦しくなるケースは珍しくありません。
そんな中、これまで大事に使ってきたブランド品や
時計、ジュエリーなどを一時的に資金として活用できる質屋は、
高齢者にとって以前よりも身近で心強い存在になっています。

質屋といえば、
昔は「困ったときの駆け込み寺」というイメージが強くありました。
現代では「ブランド品の買取店」という印象が主流になっていますが、
だからこそ本来の役割である“必要な時にお金を借りられる場所”として
再評価されつつあるのは、とても良いことだと感じます。






