
「置き込み屋」という言葉を聞いたことがありますか?
質屋や買取店の業界では、偽物の商品を偽物だと知りながら持ち込み、
買取や質預かりをさせようとする人のことを「置き込み屋」と呼ぶことがあります。
もちろん、普通のお客様が「本物だと思って持ってきたけれど、実は偽物だった」
というケースとは意味が違います。
置き込み屋は、最初から偽物だと分かったうえで、お店に持ち込んでくるのです。
昔は、偽物を持ち込まれてお店側が買い取ってしまったとしても、
「本物か偽物かを見抜けなかったお店側にも問題がある」
というように考えられ、
必ずしも刑事事件として扱われるとは限りませんでした。
しかし最近では、偽物を販売する目的で持ち込んだとして、
詐欺などの容疑で立件され、逮捕されるケースも増えています。
そのためか、ここ数年は偽物を持ち込む人も以前に比べて少なくなっていたように感じます。
ところが最近になって、また偽物と思われる商品を持ち込むケースが、少しずつ見られるようになってきました。
特に注意しなければならないのが、近年の金価格や高級時計の相場の高騰です。
昔なら、それほど大きな金額にならなかった偽物でも、
現在では一つの商品に引っ掛かるだけで、
かなり大きな損失につながる可能性があります。
小さな質屋にとっては、
たった一件の見落としが大きな損失となり、
場合によってはお店の経営そのものに影響するほどの金額になることもあります。
だからこそ、私たちお店側も、
以前にも増して慎重な商品確認が必要になっています。
質屋の場合、質屋協同組合に加盟しているお店では、
偽物や不審な商品などの持ち込み情報が、組合を通じて共有される仕組みがあります。
メールやFAXなどで情報が届くため、
同じ人物や同じ商品が複数の質屋に持ち込まれることを防ぐ一定の効果があります。
そのため、同じ偽物に何軒ものお店が次々と引っ掛かってしまうというケースは、
以前に比べれば少なくなっています。
ただし、最初に持ち込まれたお店が「一軒目」になってしまう可能性はあります。
そして、その一軒目のお店にとっては、それだけでも大きな打撃になりかねません。
そのため、最近ではお店側も、
単に「偽物を見抜く」というだけではなく、
警察とも協力しながら、
悪質な持ち込みをできるだけ刑事事件として立件しやすくするための対応を行っています。
もちろん、すべての偽物を持ち込んだ人が「置き込み屋」とは限りません。
本物だと思って持ってきた商品が、専門家による鑑定で偽物と判明することもあります。
しかし、偽物だと知りながら、それを利用してお金を得ようとする行為は別の話です。
「バレなければ大丈夫」と考えているのかもしれませんが、
現在はお店同士の情報共有も進み、警察との連携も強くなっています。
質屋や買取店は、持ち込まれた商品を一つひとつ確認しています。
特に最近は金や高級時計などの価格が高騰しているため、
私たちもこれまで以上に慎重にならざるを得ません。
「一度くらいなら大丈夫」
「このお店なら分からないだろう」
そう思っている方がいるとしたら、それは非常に危険な考えです。
偽物だと分かっていて持ち込む「置き込み」は犯罪につながります。
お店にとっても大きな損害になりますし、
持ち込んだ本人にとっても、取り返しのつかない結果になる可能性があります。
偽物を持ち込むことは、絶対にやめていただきたいと思います。






