質屋の今昔 コロナ禍で生き残る

 日本の質屋の起源は古く、
鎌倉時代と言われています。
そして戦後のみんなが貧しかった時代に
生活のための借入として質屋が多く利用されました。
戦後しばらくは2万店舗ほどあった質屋ですが、
2015年には3034店舗まで減少しました。
理由としては、
消費者金融の台頭もあり質屋は減少し、
さらに近年ではクレジットカードや
銀行系カードローンの普及でさらに減少しました。

質屋の利用方法を知らない

2016年の週刊ダイヤモンドのアンケート調査結果では、
「質屋でお金を借りられる事を知らない」と
答えた人の割合が
44%もいるという結果が出ています。
戦後から経済復興してきた昭和の時代には
庶民金融としての質屋が認知されてきましたが、
最近の若者にとっては質屋という商売があることすら
知らないというのはかなりショックを受けました。
確かに愛知県内の質屋も毎年軒数が減少しており、
ここ10年を見てもかなり減少しています。
最近の時代の流れとしては、
インターネットや電話を使った非対面で簡単に
決済できるものが主流になってきました。
店頭に買いに行く時代からネット販売になったり、
銀行でも窓口で取引する人は減り、
ATMやネットバンキングで済ませる人が増えました。
消費者金融が出来た頃は、
店頭で借り入れや返済をしていましたが、
現在はネットで返済が出来たりと
非対面に変わってきています。
そしてコロナの影響で非対面の商売が
加速度的に主流になってきました。
しかし、質屋は法律でも定められているように
対面のみのお取引しかできません。
やはり敷居の低さでは
消費者金融やカードローンには敵いません。

質屋を利用するメリット

鎌倉時代から続いてきた質屋にも
良さがあるのではないかと思います。
消費者金融やカードローンの場合は、
気軽に借り入れが出来てしまうので借りすぎてしまい、
返済が滞った場合には取り立てがあったり
さらに借金を重ねて多重債務になったりする
というリスクも伴います。
その点質屋は、
自分の品物を担保にご融資するシステムなので、
借りすぎることもないし、
もしも返済できなくなったとしても
預けた品物を諦めれば返済義務がなくなるので、
返済の心理的な負担もなく安心感のある借入です。
法律の制約がある為に
質屋が非対面で営業することはできませんが、
感染対策を徹底して営業しています。
コロナ禍で他人との交流が減っている今だからこそ、
質屋の店主との何気ない会話で
ストレス発散になればと思います。