【名古屋の質屋ブログ】会社は経営者によって変わる

 名古屋市東区の質屋「質のヤマカワ」です。
このブログは、
「大切な品物を『買取』で売るのではなく、
しばらく預けて乗り切りたい」
そんな方に向けて、店主の日常や考えを綴っています。
でも、質屋の話は意外と少なく、
名古屋市東区での暮らしや、
商いを続ける中で感じたことなどが中心です。
最近は価格競争がより激しくなってきていますが、
価格だけでなく、
「この店なら安心できそうだな」
と感じていただけるような
そんなブログを目指しています。

 以前に書いた七つ屋ブログで、
日本国内で販売しているバーバリーの商品のほとんどは
三陽商会がライセンス契約を結んで
販売していた商品だったのが、
2015年中旬からは三陽商会からバーバリーは離れ、
イギリス本社のバーバリーから販売されることになったことを書きました。
2015年当時は、売上の2~3割規模を占めていたバーバリーとの決別は
三陽商会にとって大きな打撃となりました。
三陽商会は上場するほどの大企業ですが、ライセンス契約一つで
会社が傾く事態になってしまうのかと驚いていました。
個人的には、このまま倒産してしまうのではないかと思っていましたが、全然違っていました。
2015~2019年には、
マッキントッシュなどの外部ブランドの新ライセンスや自社ブランド強化で失地回復を図り、
店舗構造の見直しを進めました。
2020からのコロナ禍の苦境にもかかわらず、
2021年頃から「再生プラン(再建プラン)」を実行。
固定費削減・チャネル最適化・ブランドポートフォリオ整理・デジタル投資を並行しました。
2023年には、営業黒字化を達成。
その後は「アッパーミドル領域でのトップランナー化」を掲げる中期経営計画へ移行し、
ブランドの収益性向上、M&Aや海外展開、ESG(サステナ)対応を攻め手にする方針を打ち出しています。
私の予想に反して、
三陽商会はV字回復していました。
やはり会社というのは経営者によって全然違った業績になるんですね。
当店は、代々続く質屋ですが、
もしも私ではなく優秀な経営者が継いでいたら、
当店の現在地は全然違っていたのかなと思ってしまいました。
とはいえ、ここまで考えてみて、
「では自分は経営者として失格だったのか」と自問してみると、
それも少し違う気がしています。
もし私が、いわゆる優秀な経営者だったなら、
大黒屋さんのような大企業に成長していた可能性もあるでしょう。
繁華街や立地の良い場所へ積極的に出店し、
業績を大きく伸ばしていたかもしれません。
しかしその一方で、
「立地が悪い」という理由で、
この名古屋市東区の店は
どこかの時点で切り捨てられていた可能性もあったと思います。
少なくとも、私が経営してきた限りにおいては、
この店は名古屋市東区という場所で、
今も変わらず営業を続けています。
そして、地域の方が
「いざという時」に思い出してくれ、
実際に利用してくださった。
それは、ほんのわずかかもしれませんが、
地域社会に対して果たせた役割ではないかと感じています。
そう考えると、
優秀ではないにしても、
私がこの店を経営してきた意味は、
決して小さくはなかったのではないでしょうか。
これからも、
名古屋市東区の人たちに
「必要な時に、そこにある店」として
静かに頼っていただける存在であり続けられるよう、
無理をせず、背伸びもせず、
自分なりのやり方で努力していきたいと思います。