先日、俳優の佐野史郎さんが
バラエティー番組のロケ中に
腰椎を圧迫骨折する重傷を負いました。
収録中に怪我人が出ると、
放送がお蔵入りになってしまうことがあります。
そのことを危惧してか、
佐野史郎さんがケガについて次のようなコメントを出しました。
『第三腰椎骨折というけがをしてしまい、
番組スタッフ、キャストのみなさんはじめ、
関係者各位のみなさまには大変ご迷惑をおかけしました。
安静にということで、入院中ではございますが、
当面のお仕事に対しましては順次対応させていただきたいと存じます。
なお、番組放送に関しましては、
私の負傷で笑えない状況にならないよう放送されることを、
心より願っております。
人間万事塞翁が馬。
今回のことを糧に、より精進して参りたいと存じます。』
自分がけがをしたのに番組を気遣ったコメントをするなんて、
一つのことを極めた人は人格的にも優れているものだな
と感心しました。
自分だったら
「こんな仕事しなければ、怪我なんかしなかったのに。」
なんて思ってしまいそうです。
コメントの中でも出てきた
「人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)」。
ちょっと難しそうですが、中国のことわざです。
意味は、
《世の中に起きる悪いことも良いことも予期できず、それに振り回されてはならない》
ですが、いまいちピンときませんよね。
「淮南子」という中国で編さんされた思想書の中に原文があり、
そのあらすじは、
『老人の馬が逃げたところ、その馬が優れた別の馬を連れて帰ってきた。
今度は老人の子供がその馬から落馬して足を折ったが、
そのおかげで兵役を逃れて命が助かった。』
というものです。
つまり、不幸だと思ったことが幸福になったり、
幸福だと思ったことが不幸になったりと
先のことは誰も予測できない。
私は現在アラフィフですが、
友人との他愛もない話の中に
健康のことや老後の話が出てくるようになりました。
老後2000万円問題も将来の心配の種です。
「人間万事塞翁が馬」のことわざのように
見えない将来の不安を案ずるよりも
今できることを頑張ることが大事だと自分に言い聞かせています。
それにしても「佐野史郎、カッケー」
ですね。