先日のニュースで、
”高級腕時計ロレックスの偽物を売却し、現金335万円をだまし取ったとして、
愛知県警千種署は27日までに、
詐欺と商標法違反(商標権侵害)の疑いで、名古屋市昭和区の31歳会社員を逮捕した。
25日付「売却したことは間違いないが、本物と思っていたのでだますつもりはなかった」と供述している。
逮捕容疑は昨年8月27日、名古屋市中区の買い取り店で、
本物を装ったロレックスの腕時計2本を売って現金を詐取し、商標権を侵害したとしている。
署によると、売却されたのは人気の「サブマリーナー」と「GMTマスターⅡ」。
買い取り後、店の関係者が偽物と気づいた。
県内の別の業者から同様の被害相談が複数あり、県警が関連を調べている。
容疑者の関係先から同社の偽物の腕時計4本が押収された。”
(産経新聞より)
コピー品のロレックスを売却した名古屋市の会社員が逮捕されました。
この事件以外にも高知や大阪でも同様の事件があり
全国各地で逮捕者が出ています。
以前のブログでも書きましたが、
現在のコピー品は文字盤、ケース、ベルトなど
すべてのパーツを精巧に作っています。
中にはケースは本物だけど機械がコピー品という
スーパーコピーも出ているようです。
プロでも真贋判定がかなり難しくなった為に
コピー品を入れ込む人間が増えたのでしょう。
私がこの業界に入った30年前は、
「プロの鑑定士なんだから真贋を見極められなかった
お店側が悪いでしょ。」
という風潮でした。
実際、今と比べれば、コピー品のレベルも今ほどは高くないので
しっかりと勉強して、冷静な判断が出来れば見分けができるレベルでした。
ただ、この”冷静な判断”で品物を観ることが出来ればいいのですが、
お客様を前にすると”冷静な判断”と言うのが難しいんですよね。
お客様を待たせるわけにもいかないので短時間で査定をしなければいけません。
いろいろなことが重なって
プロでもコピー品を買い取ってしまうことがありました。
30年前ですらそのような状態ですから、
現在のスーパーコピーを短時間で
真贋判定を完璧に看破するのは至難の業です。
そのため、真贋判定以外の対策もそれぞれの店舗が工夫して行っています。
それぞれのお店が、万が一コピー品を買取しても立件しやすいような対策をしているので、
最近は逮捕者も増えているようです。
質屋の場合は横のつながりが強いので、
それに加えてコピー情報・入れ込み情報が入って来るので
入れ込みの被害に合わない防衛策をしています。
コピー品を持ち込む入れ込み屋が悪いのか?
コピー品を見破れないお店が悪いのか?
考え方は人それぞれですが、
詐欺罪や商標法違反の罪で逮捕者が増えていることは事実です。
組織的な犯罪も多いですが、
中には小遣い稼ぎで安易にコピー品を持ち込む人もいるようです。
コピー品を売却するのは犯罪ですので
知らずに犯罪者にならないように気を付けましょう。