
先日、当店に一人のお客様がご来店されました。
どこかでお見かけしたような…
という感覚があり、お話を伺ってみると、
やはり以前に当店をご利用いただいたことのあるお客様でした。
最初は「何年ぶりでしょうかね?大分久しぶりですよね。」
などと世間話程度にお話をしていたのですが、
当店で保管していた記録を確認してみたところ、
なんと20年ぶりのご来店だったことがわかりました。
お住まいがご近所というわけでもなく、
通勤でお店の前を通るわけでもないとのことでなおさら驚きました。
そんな中で、20年もの時を経て、
再び質のヤマカワのことを思い出して足を運んでくださったという事実に、
私はとても感激しました。

質屋という商売は、
日々たくさんのお客様と接するものの、
一人ひとりとの関係は決して一度きりではありません。
お品物をお預かりする際の会話、
季節の移り変わりに感じるちょっとしたやり取り、
そしてその人の人生のタイミングに寄り添うような瞬間もあります。
今回のように、ふと思い出していただき、
またご利用いただけるというのは、
店主にとって何よりも嬉しいことです。
正直なところ、時代は大きく変わり、
質屋という業種自体も知らない方が増えている中で、
こうして20年の時を超えて再訪してくださるというのは、
奇跡のようなことかもしれません。
それでも、少しでも記憶に残り、
いざというときに
「そういえば、あの店があったな」
と思い出していただけるような存在でいられるよう、
これからも日々の仕事を丁寧に続けていこうと、改めて感じました。
お客様との再会が、
私たちの背中を押してくれることがあります。
今回の出来事は、そんな心温まる瞬間でした。
これからも地域に根ざした店として、
長く信頼されるお店であり続けたいと思います。