【名古屋の質屋ブログ】ナシ婚・家族葬の時代に、質屋の商いはどう変わったのか

 名古屋市東区の質屋「質のヤマカワ」です。
このブログは、
「大切な品物を『買取』で売るのではなく、
しばらく預けて乗り切りたい」
そんな方に向けて、店主の日常や考えを綴っています。
でも、質屋の話は意外と少なく、
名古屋市東区での暮らしや、
商いを続ける中で感じたことなどが中心です。
最近は価格競争がより激しくなってきていますが、
価格だけでなく、
「この店なら安心できそうだな」
と感じていただけるような
そんなブログを目指しています。

 「密」が忌避されたコロナ禍を過ぎても、結婚式場の苦境は続いています。
挙式自体を行わない、いわゆる「ナシ婚」の広がりなど、価値観の変化も重なり、結婚式市場はコロナ前の8割程度までしか回復していないと言われています。
大型倒産も相次ぐ業界では、生き残りをかけた模索が続いています。
(読売新聞より)

どの業種も厳しい時代ですが、結婚式場の経営は、特に厳しさが増している業界の一つだと感じます。
今年に入ってから、私自身も2度、結婚式に出席しました。
一つは50人規模、もう一つは20人規模の結婚式でした。
私が結婚した40年前を振り返ると、新郎新婦がゴンドラに乗って上から登場するような演出もあり、70人から100人規模で行うのが当たり前の時代でした。
それと比べると、現在はコロナ禍を経て、結婚式に対する価値観が大きく変わってきていることを実感します。
こうした価値観の変化は、結婚式に限った話ではありません。
お葬式も同様で、家族葬が主流となり、大規模な葬儀は年々減少しています。
現在はコロナによる行動規制こそありませんが、コロナ禍をきっかけに、人々の生活スタイルや「お金の使い方」「儀礼に対する考え方」は確実に変化しました。
そして、その影響は、
質屋にも確実に表れています。

例えば、結婚式や披露宴を簡素化する動きが広がったことで、
ブライダル関連の支出自体が減少し、
かつて多かった「ご祝儀の一時的な出費の補填としての質預かり利用」は、明らかに少なくなっています。

また、物価高や将来への不安から、
「できるだけ現金を手元に残しておきたい」という意識が強まり、
高額なモノを購入する、いわゆるモノ消費そのものが減少しています。
その結果、質屋に預ける品物の点数や金額も、以前と比べると減ってきているのが実情です。
この背景には、若い世代を中心としたブランド離れの影響も少なからずあると感じています。

「コロナ禍はすでに収束しましたが、
人々の価値観は元に戻ったのではなく、
変化したまま、生活の中に定着した。」
そう感じる場面が、日々の商いの中で確実に増えています。

コロナ禍以前は、
個人のお客様による
「給料日までのつなぎ」としての少額のご利用が中心でした。
しかし最近では、
「事業の資金繰りのため」といった経営者の方からの、
比較的高額なご相談が増えているように感じます。
その背景には、
コロナ禍に実行された、いわゆるゼロゼロ融資の返済が本格化していることも、
少なからず影響しているのではないでしょうか。
時代の変化を正しく読み取り、
その時々のお客様の事情や不安に寄り添いながら、
最適な選択肢を提示していくこと。
それこそが、これからの時代において
質屋に求められる役割なのかもしれません。